前大統領の朴槿恵(パク・クネ)被告と長年の知人、崔順実(チェ・スンシル)被告への贈賄罪に問われている、サムスングループ経営トップの李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の差し戻し審が30日、ソウル高等裁判所で開かれ結審しました。
李被告は、グループの経営権継承を支援してもらう見返りとして、朴槿恵前大統領とその知人側に298億ウォンもの賄賂を贈った罪などに問われています。
2017年8月の一審で、李被告は懲役5年の実刑判決を言い渡され、身柄を拘束されました。
これに続く2018年2月の二審では、高等裁判所がこのうちの36億ウォンだけを賄賂とみなし、50億ウォン相当については無罪として執行猶予付き有罪となり、李在鎔被告は釈放されました。
しかし去年8月、最高裁判所に当たる大法院は50億ウォン相当について無罪とした二審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻しました。
この差し戻し審は去年10月に初公判が開かれ、サムスンが社内に「順法監視制度」を導入すれば、それを量刑に反映させる方針を示し、これを受けてサムスンは「順法監視委員会」を設置し、経営権の世襲放棄などを宣言しました。
しかし事件を捜査している特別検察官は、こうした裁判所の方針に反発し、裁判官の交代を要求しましたが、ことし9月に大法院がこれを棄却し、10月に差し戻し審が再開されました。
そして李在鎔被告の差し戻し審の論告求刑公判が30日、ソウル高裁であり、検察は懲役9年を求刑しました。
論告求刑公判から判決公判までは通常およそ1か月かかるため、サムスンの李在鎔被告が再び収監されるかどうかは、来年初めに結論が出る見通しです。