韓国のグローバル製薬メーカー「セルトリオン」が開発し、このほど食品医薬品安全処が承認した新型コロナウイルス感染症の抗体治療薬「CT-P59」は、イギリス型の変異ウイルスに対して効果があることがわかりました。
中央防疫対策本部は11日、「セルトリオン」が開発した抗体治療薬「CT-P59」について、効果を確認するテストを行った結果、従来の新型コロナウイルスに加え、イギリス型の変異ウイルスに対しても優れた「中和能力」、つまりウイルスの働きを抑える力を持っていることを確認したということです。
一方、南アフリカ型変異ウイルスに対しては、中和能力が著しく落ちることが確認されたため、南アフリカ型変異ウイルスに感染した人に対しては「CT-P59」の使用を制限するよう勧告しました。
試験の結果を受けて、セルトリオン社は11日、変異ウイルスに対して総合的に対応できる「変異に合わせたカクテル治療薬」の開発に取りかかると明らかにしました。
また、新型コロナの治療薬として特例輸入され、使用されている抗ウイルス薬の「レムデシビル」については、従来の新型コロナウイルスだけでなく、イギリス型、南アフリカ型の変異ウイルスに対しても、ウイルスの働きを抑制する効果があることが確認されたということです。
さらに、中央防疫対策本部は、国立感染症研究所が民間と協力して、イギリス型と南アフリカ型の変異ウイルスどちらにも効果がある広範な抗体物質を確保したことを明らかにし、新型コロナの複数の変異ウイルスに対して使用できる治療薬開発への期待が高まっています。