アメリカのバイデン政権と中国の習近平指導部の外交トップによる初めての対面での会談が現地時間の18日と19日に、アメリカのアラスカ州で開かれましたが、進展は得られず、終了しました。
会談には、アメリカからブリンケン国務長官とホワイトハウスのサリバン国家安全保障担当大統領補佐官が、中国からは楊潔篪共産党政治局員と王毅外相がそれぞれ出席しました。
ロイター通信によりますと、サリバン補佐官は会談直後、記者団に対して、「米中両国は、幅広い議題で厳しい交渉を行った。アメリカは今後、正常な外交ルートで中国と引き続き協力していく」と述べたということです。
ブリンケン長官は、「北韓やイラン問題について中国側と率直にやりとりした。両国は北韓やイラン問題、気候変動問題について利害が共通する」と話しました。
新華社通信によりますと、楊潔篪共産党政治局員は「率直で、建設的で、有益な対話をした。もちろん依然として隔たりはあるが、双方は今後、安定した軌道に向けて『対立しない政策』を進めるべきだ」と述べたということです。
一方、海外メディアは、「冷戦が始まったころのアメリカとソ連を見るかのようだった」として、新冷戦の幕開けを危惧する見方もでています。
今回の会談で、米中が北韓問題について協議したことは注目されます。
アメリカは、「北韓を対話のテーブルに就かせるための国際社会の制裁に中国が後ろ向きな態度を取っている」と指摘し、中国が役割を果たすよう促しました。
対立する米中の狭間で戦略的にあいまいな態度を取っている韓国政府としても、今後、悩みは深まりそうです。