ワタリガニ漁が盛んになる時期を前に、韓半島の西の海、西海の軍事境界線にあたるNLL=北方限界線付近で、中国漁船の違法操業が急増し、海洋警察が取り締まりを強化しています。
海洋警察庁によりますと、3月に入って、NLL付近で違法操業を行った中国漁船は一日平均で112隻と、前の月の20隻に比べ大きく増えています。
また、去年3月に一日平均14隻だったのに比べると、8倍も増えています。
なかでも、ワタリガニ漁場がある延坪島(ヨンピョンド)付近では、今月に入って、毎日85隻に上る中国漁船が違法操業を行っているということです。
この背景には、海洋警察が、去年から、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、違法操業を行う漁船を取り締まる際に、だ捕せずに、退去警告を中心とする非対面作戦を展開していて、取り締まりが緩くなっていることがあるとみられます。
これを受け、海洋警察は、NLL付近で違法操業を行う漁船に対し、通常の方法に戻り、積極的にだ捕する方針を固めました。
海洋警察庁は、ことし延坪島付近の漁獲量が多いうえに、中国国内で違法漁船に対する取り締まりが強化されたことから、韓国海域に中国漁船が集まっていると説明し、今後、違法操業の取り締まりを一層強化すると強調しました。