釈迦生誕日を迎えた19日、韓国では全国の寺院で一斉に法要が開かれました。
大韓仏教・曹渓宗によりますと、この日午前10時から始まった法要では、政府の防疫指針に従って、参加者の座席の間隔が1メートル以上開けられたほか、必要最低限の人数だけの参加で行われたということです。
曹渓宗は、釈迦生誕を祝って、毎年、都心で大規模に実施してきた「燃灯会(ねんとうえ)」の行事を、去年に続いてことしもコロナ禍のため開きませんでした。しかし、燃灯会が去年、ユネスコ=国連教育科学文化機関の無形文化遺産に登録されたことを記念し、それぞれの寺の状況に応じて小規模に行ったということです。
燃灯会は、釈迦生誕日に仏様に灯明を供養する高麗時代から続く仏教行事です。
曹渓寺の法要には、曹渓宗の代表、僧正の眞際大僧師と総務院長の圓行僧侶をはじめ、黄熙(ファン・ヒ)文化体育観光部長官や各国の韓国駐在大使、それに各宗教団体の指導者などが参加しました。
圓行僧侶は、奉祝の挨拶で、「仏紀2565年の釈迦生誕日を迎え、全世界にお釈迦様の知恵と慈悲の光が満ち溢れ、平和と幸福が溢れることを祈ります」と述べました。
文化体育観光部の黄長官は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の祝辞を代読しました。
祝辞で文大統領は、「明るく照らす『希望と治癒の燃灯』は、一つの心で苦難を乗り越える『希望と治癒の光』であり、『融和と平等の光』だ。仏様の慈悲の光が、全世界に溢れることを祈る」と述べました。