韓国の元徴用工と遺族らが日本企業16社を相手に損害賠償を求めて6年前に起こした裁判で、ソウル中央地方裁判所は28日に最初の弁論を行い、来月10日に判決を言い渡すことになりました。
この裁判は、戦時中、日本で強制労働させられたとして、元徴用工や遺族ら85人が、住友金属鉱山、西松建設、三菱マテリアルなど日本企業16社に86億ウォンの損害賠償を求め、2015年5月に提訴していたものです。
その後、審理は進んでいませんでしたが、ソウル中央地方裁判所が3月に訴訟の書類をホームページなどに一定期間掲載することで16社に書類が届いたとみなす「公示送達」の手続きを取りました。
公示送達は5月18日以降、効力が発生し、28日に弁論が行われました。
弁論で、裁判所は、「すでに2回にわたって大法院の判断が示された事件で、法理は整理済みだ」と述べ、来月10日を判決を言い渡す宣告期日に指定しました。
元徴用工訴訟では、最高裁判所に当たる大法院が2018年秋に相次いで新日鉄住金、現在の日本製鉄と三菱重工業に賠償を命じています。
これを受けて、元徴用工による同様の訴訟が相次ぎましたが、これだけ多数の日本企業を一度に相手取った集団訴訟が審理されたのは初めてです。
現在、韓国内で係争中の元徴用工訴訟は合わせて19件に上ります。