韓国軍当局は、北韓の核の脅威に対応する抑止力を向上するため、韓米による「オーダーメイド型抑止戦略」と、韓国軍の核・大量破壊兵器(WMD)の対応システムを強化してきたと明らかにしました。
合同参謀本部は6日、国会国防委員会の国政監査で、北韓の核の脅威に備え、積極的な攻勢戦略を検討していると述べました。
オーダーメイド型抑止戦略とは、韓半島情勢に最適化された韓米合同で取り組む戦略で、北韓が核を通して脅威を与える段階から直接使用する段階にいたるまで、すべての状況において履行可能な対応策が含まれています。
韓国軍の核・大量破壊兵器対応システムは、「戦略的打撃体系」と「韓国型ミサイル防衛システム」で構成されています。
また、軍当局は現在、ミサイルの数を拡充しているということです。北韓全域を精密打撃できる弾道ミサイルや巡航ミサイルなど、様々なミサイル戦略を確保しており、今後も全方位的な脅威に備えることができるよう高威力・超精密ミサイルを確保していく計画です。
韓国軍はことし1月に開催された北韓の第8回朝鮮労働党大会と、米中対立の深刻化などを踏まえ、韓半島の安全保障環境を改めて評価し、合同軍事戦略を見直すとしました。
ただ、北韓からの批判や武器開発に対する周辺国のけん制を意識して、国際法を順守すると強調しました。
元仁哲(ウォン・インチョル)合同参謀本部議長もこの日、「国内外の安全保障状況は、北韓の核とミサイルが日増しに高度化しているなか、周辺の強大国の軍事的脅威と軍備競争も次第に激しさを増しているため、いつにも増して複雑で厳しい状況だ」と話しました。
北韓が「次世代のゲームチェンジャー」とされている極超音速ミサイルの発射実験を行うなど、新型ミサイルを相次いで公開しているほか、アメリカと中国によるインド太平洋地域での競争も激しくなっているため、韓国軍もこれに合わせて準備態勢を整えているということです。
そして、強固な韓米同盟を基盤に、戦時作戦統制権のアメリカから韓国への移管も加速化すると強調しました。