韓国政府は、新型コロナウイルスワクチンの国内生産基盤を確保し、国際的なワクチンハブになることを目指す「グローバルワクチンハブ化」計画に向けて、2社目となるグローバル企業を誘致したことを明らかにしました。
保健福祉部の「グローバルワクチンハブ化推進団」によりますと、産業通商資源部、保健福祉部、仁川(インチョン)市はワクチンの原材料や副材料、医薬品製造用の機器などの製造、販売を手掛けるドイツの「ザルトリウス」社と向こう3年間、仁川の松島(ソンド)に3億ドルを投じて工場を稼働するとした内容のMOU=了解覚書を結んだということです。
推進団は、「ことし9月のアメリカの『サイティバ』社のおよそ5000万ドルに続いて2社目の企業が、韓国への投資を決めた。松島でバイオ医薬品の生産に必要な細胞培養用の培地、使い捨てバッグなどの原材料、副材料を生産する予定だ」と説明しています。
また「MOUの締結で投資が確定したことにより、『ザルトリウス』社は、韓国をアジア地域への輸出基地として活用する方針で、韓国政府のワクチンハブ化の戦略に貢献するだろう」と期待を示しました。
推進団は、「政府がことし5月に政策を打ち出して以来、多くのグローバル企業が韓国に関心を示している。シンガポールなどがアジア地域のワクチンハブ化を進めているが、韓国のバイオ・医薬品生産能力は世界2位のレベルだ。ワクチンの開発と生産工場の誘致などを通じて、世界レベルの競争力を備えていく」としています。