韓国の国民的画家、朴壽根(パク・スグン)の作品世界を紹介する大規模な回顧展「朴壽根:春を待つ裸木」が、国立現代美術館で11日から来年3月1日まで開かれます。
国立現代美術館によりますと、今回の展示では朴壽根の油絵、水彩、ドローイング、挿絵など様々な作品が、過去最大規模であわせて174点公開されるということです。
国立現代美術館は、「韓国戦争直後、画壇の派閥主義によって冷遇され、経済的に厳しい生活を強いられた画家だという固定概念をなくし、朴壽根の成果に注目する」とし、「2016年から2018年まで進められた朴壽根の全作品の図録発行事業を通じて新たに発掘された資料と研究成果をもとに、知られていなかった活動を紹介する」と説明しました。
今回の展示では、朴壽根が10代だったころの初期の作品「ミレーを愛した少年」をはじめ、韓国戦争直後の作品世界を紹介する「米軍と観覧会」、昌信洞(チャンシンドン)での成熟期に描いた「昌信洞の人たち」、朴壽根の作品の普遍性に集中した「春を待つ裸木」の4部で構成されています。
国立現代美術館は、今回の展示をきっかけに朴壽根を新たな観点で学べる「作家のカバン」という教材を開発し、展示期間に全国の中学校に配布することにしました。
1914年に韓国の東部、江原道(カンウォンド)楊口(ヤング)で生まれた朴壽根は、1953年に韓国政府主催の美術展覧会に初めて入選し、韓国固有の美と独特な画法で、西洋画を韓国流に上手く取り入れた事例として高く評価されました。
1965年に51歳で他界してからは、平凡な庶民たちの日常を描いた作品が広く知られ、国民画家と呼ばれるようになりました。