文在寅(ムン・ジェイン)政権では最後となる新年特別恩赦の対象を選定する審査が法務部で行われていますが、朴槿恵(パク・クネ)前大統領と李明博(イ・ミョンバク)元大統領が対象に含まれるかに関心が集まっています。
法務部の恩赦審査委員会は20日と21日に、新年特別恩赦の対象を選定する審査を行っています。
今回の特別恩赦は、文在寅政権下では5回目となるもので、事実上最後の特別恩赦になります。
朴範界(パク・ボムゲ)法務部長官は、新年の特別恩赦について、「かなりの規模になるだろう」と話しました。
焦点となるのは、朴槿恵前大統領と李明博元大統領が対象に含まれるかどうかです。
朴前大統領は、サムスングループから多額の賄賂を受け取ったとして収賄罪などに問われて懲役22年を言い渡され、服役中で、李元大統領も、同じく韓国の財閥などから多額の賄賂を受け取ったとして収賄などの罪に問われ懲役17年を言い渡され、服役中ですが、いずれも高齢で持病を患っています。
なかでも朴前大統領は肩や腰の治療で入退院を繰り返し、現在も民間病院に入院中で、医師の判断によりさらに来年初めまで入院が延長されました。
しかし、今回の特別恩赦は大統領選挙を控えているため政治的に重荷となるほか、与党内で反対する声も出ているため、2人が特別恩赦の対象に含まれる可能性は低いという見方が出ています。
20日の審査では、朴氏と李氏の恩赦については取り上げられなかったとされます。
文大統領はかねてから「収賄、背任、横領など5つの重大犯罪については恩赦権の行使は控える」と約束していただけに、サムスングループの経営トップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長(仮釈放中)など財界の要人も対象に含まれない可能性が高いとみられています。
恩赦審査委員会が対象を選定し、法務部長官が大統領に報告すれば、大統領が恩赦権を行使します。
特別恩赦の対象は来週にも発表される見通しです。