韓国南西部の珍島沖で2014年4月に起きた旅客船セウォル号の沈没事故で犠牲になった京畿道(キョンギド)安山(アンサン)市の檀園(タンウォン)高校の生徒が、事故に遭う前に使っていた教室を再現した「記憶教室」が、国家指定記録物に指定され、永久保存されることになりました。
この事故では、檀園高校2年生の生徒250人と教師12人が死亡または行方不明になっています。
京畿道教育庁の4.16民主市民教育院が28日、発表したところによりますと、セウォル号沈没事故で犠牲になった檀園高校の生徒が事故に遭う前に使っていた教室を再現した「記憶教室」が国家指定記録物第14号に指定されたということです。
この「記憶教室」は、初めは檀園高校で実際に使っていた教室に設けられましたが、ことし4月に4.16民主市民教育院に移されました。
今回指定されたのは、檀園高校2年生が使っていた教室、黒板、机、いすなど、合わせて473点です。
国家記録院は、指定の背景について「今回指定された記録物は、社会的災害と言える重要な出来事に関する記録物で、当時の教育文化、災害をめぐる記憶の空間記録物として意義がある。また社会的災害のアーカイブ、教育史や学生生活史という面でも活用度が高く、災害当事者による自発的記録物の収集、保存、活用の事例としても社会・文化的価値がある」と説明しました。
国家指定記録物は、民間の記録物のうち、国が永久保存する価値があると認めたもので、政府が保存、復元、整理事業、データベース構築などを支援します。
4.16民主市民教育院は、セウォル号の遺族などからなる民間団体とともに、記憶教室について国家指定記録物の指定申請を出していました。