韓国では新型コロナの防疫システムが見直され、10日からは無症状または軽症で在宅療養中の患者は医療機関や管理を通さないで自ら健康状況を確認し、隔離を自主的に行うようになりました。これに伴い、政府の感染予防対策「社会的距離の確保」や、新型コロナワクチンの接種完了やPCR検査の陰性を証明する「防疫パス」、飲食店などでのQRコードなどを利用した訪問者名簿の作成などの規制を緩和すべきではないかという声が出ていることについて、政府は11日、「流行の状況などを踏まえ、総合的に慎重に検討する」と明らかにしました。
政府は、「オミクロンの特性に合わせて、現在の‘社会的距離の確保’などを全般的に検討し、慎重に議論したうえで発表する」としています。
政府の感染予防対策「社会的距離の確保」にもとづく飲食店の営業時間短縮や人数制限などの措置について、金富謙(キム・ブギョム)国務総理は11日、「状況を綿密に分析・評価して防疫レベルを調整することで、経済・社会的な被害を最小限に抑えることも重要だ。重症者と死亡者の増加が抑えられ、防疫状況をある程度管理できると判断されれば、いつでも勇気のある決断を下すことを約束する」と述べていました。
これについて、中央災害安全対策本部の李基日(イ・ギイル)第1統制官は、「現行の‘社会的距離の確保’が終了するまであと1週間残っているが、オミクロン対応体制の定着、流行の状況、重症患者数、致死率などを総合的に判断して可能なら緩和するという意味」と補足の説明をしました。
防疫当局は、「’社会的距離の確保‘、防疫パス提示義務、QRコードなどを利用した訪問者名簿の作成は、互いに深く関係しているため、流行の状況を見極め、慎重に検討する」としています。
韓国では、オミクロン株の急拡大を受けて、6日に終了する予定だった「私的な集まりは6人まで・営業制限は9時まで」とする「社会的距離の確保」に基づく措置が今月20日まで2週間再延長されています。
一方、中央防疫対策本部によりますと、新型コロナウイルスの感染者は11日午前0時までに新たに5万3926人が確認され、2日連続で5万人を超えました。
亡くなった人は49人増えて合わせて7012人になり、韓国の致死率は0.57%になりました。