ことしの韓国の経済成長率について、輸出の鈍化や内需の不振などにより、市場の予想をはるかに下回る2.1%にとどまる可能性が高いという見方が専門家によって示されました。
世界経済研究院が18日に開催した世界経済に関するオンライン・セミナーで、野村証券アジアの首席エコノミスト、ロバート・シュバラマン氏は、「IMF=国際通貨基金や韓国銀行などは韓国のことしのGDP=国内総生産の伸び率が3.0%程度になると予想しているが、それより低い2.1%にとどまるだろう」という見方を示しました。
ロバート氏は、こうした低成長を背景に、韓国銀行は年内にさらなる利上げは行わず、政策金利を今の1.25%に据え置くだろうと予想しています。
韓国銀行が政策金利を年内に2~4回に分けて、最高1.75%まで引き上げるだろうとしてきた市場の予想とは異なるものです。
ロバート氏は、自身の見解のもう一つの背景として中国経済の成長鈍化をあげていて、中国の成長が鈍化すれば韓国の輸出も伸び悩む可能性が高いと指摘しています。
ロバート氏は、利上げによる民間消費の落ち込みや来月の大統領選挙の結果による不確実性の増大も韓国経済を押し下げる要因になるとみています。
ロバート氏は、中国経済については、「去年の実際の成長率は公表された4%より低かったものと推定される。ことしは成長鈍化がさらに本格化する可能性がある」として、中国は主要国とは逆に利下げなど緩和的な通貨政策を相当期間続ける可能性が高いという見方を示しました。