政府が、先週発表した新型コロナ対策の一部緩和について、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日 「苦心の末に下した決定である」として、国民に理解を求めたうえで、今後の感染状況に応じて柔軟に対策を調整していく考えを示しました。
文大統領はこの日、大統領府青瓦台で開かれた会議で、「政府が、新型コロナ対策を緩和できたのは、感染者が急増する一方で、重症化率や致死率、医療体制が安定的に管理されていたおかげだ」と述べました。
そして、政府が18日に発表した新型コロナ対策の緩和策については、「苦心の末に下した決定であることを理解してほしい」と述べました。
政府は18日に、新型コロナ対策として実施している飲食店やカフェなどの営業時間制限を現行の午後9時までから午後10時までに1時間延長するなど、対策を一部緩和することを発表しました。しかし、私的な集まりの人数制限は従来通り最大6人までとするなど、最小限に緩和にとどまったことから、新型コロナの影響で経営が厳しくなっている自営業者からは不満の声が上がっています。
これについて文大統領は「新型コロナが長期化するなか、適切な基準を判断することは極めて難しい。専門家は『オミクロン株の流行がピークに達していないことを懸念する一方、自営業者は営業時間のわずかな延長に不満が大きい」としたうえで、「自営業者の厳しさを十分理解しているが、感染者が急増している状況を考慮して決定した」と説明しました。
そのうえで、今後の感染状況に応じて柔軟に新型コロナ対策を調整していく考えを示しました。