世界を舞台に活躍する絵本作家イ・スジ氏の絵本「夏が来る」が、ことしのボローニャ・ラガッツィ賞のフィクション部門を受賞しました。
去年出版された「夏が来る」は、ビバルディ作曲「四季」の「夏」をモチーフにした絵本で、ドローイングなど様々な技法が凝縮された作品です。
絵本の表紙にあるQRコードを読み込むと「四季」と作家の解説が盛り込まれた映像が再生され、生命力溢れる絵を楽しむことができるユニークな本です。
イ・スジ氏は去年も中国人作家、曺文軒氏の物語に絵を描いた「ウロマ」で、フィクション部門を受賞しました。
ボローニャ・ラガッツィ賞のフィクション部門は、出品作のなかで独創性や芸術性はもちろん、内容と編集においても優秀な作品に与えられる賞です。
イ・スジ氏はまた、「児童文学界のノーベル賞」と呼ばれる国際アンデルセン賞イラストライター部門の最終候補にあがりました。
ボローニャ・ラガッツィ賞の授賞式とアンデルセン賞の受賞者の発表は、来月21日にイタリアで開幕するボローニャ国際児童図書展で行われます。
イ・スジ氏は、童画「ウサギたちの復讐」で「スイスで最も美しい本」賞を受賞したほか、「不思議の国のアリス」がイギリスのテート・モダンアーティストブックコレクションに所蔵されています。
また、「この小さな本を開いてみて」では、グローブ・ホーンブック賞の名誉賞を受賞し、「波よ、遊ぼう」と「影の遊び」は、ニューヨーク・タイムズの優秀絵本に選ばれました。