原油価格が2014年以来の高値となったのを受け、IEA=国際エネルギー機関に加盟する韓国など31か国は、備蓄原油あわせて6000万バレルを放出することで合意しました。
ロンドンICE先物取引所によりますと、現地時間の1日午後8時35分の時点で5月のブレント原油先物価格は、1バレル当たり100ドルを超え、105.63ドルで取引されています。
前の日より7.90%上昇しましたが、これは2014年7月以来の高値で、ロシアによるウクライナ侵攻が深刻さを増していることが影響したものとみられます。
IEA加盟31か国は1日、テレビ電話方式で開かれた会合で備蓄原油あわせて6000万バレルを放出することに合意したうえで、ロシアのウクライナ侵攻によって国際原油市場に供給不足は発生しないという強いメッセージを送るための措置だと説明しました。
加盟国が備蓄原油を放出することで一致したのは、2011年以来のことで、1974年にアラブの石油禁輸措置によって制度が設けられて以降、4回目です。
今回の会合は、ことしの議長国であるアメリカの主導で開かれたもので、放出量は世界の1日の消費量よりも少ないということです。
また、IEA関係者によりますと、今回の放出量の半分に当たる3000万バレルはアメリカが担うことになったということです。
こうしたなか、韓国の文勝煜(ムン・スンウク)産業通商資源部長官は、「韓国政府は、ウクライナ情勢に対応し、輸出統制、金融制裁、石油市場の安定化に向けた備蓄原油の放出に積極的に参加する」と明らかにしました。
産業通商資源部が2日明らかにしたところによりますと、文長官は前日の夜、テレビ電話形式で開かれたIEAの臨時閣僚会合で、31のIEA加盟国と世界のエネルギー市場の安定化に向けた方策について協議し、こうした立場を伝えたということです。
ただ、こうした措置にも関わらず、国際原油価格は上昇を続けていて、ロイター通信によりますと、アメリカ・ニューヨークで西部テキサス産原油の先物価格が10%以上高騰し、1バレル当たり105.61ドルとなり、2020年5月以降、もっとも大きい上昇幅を記録したということです。
ブレント原油の先物価格は、9%上昇して1バレル当たり106.77ドルとなりました。