ウクライナのゼレンスキー大統領が11日、韓国に対してロシアのミサイルを防御できる軍事装備の支援を呼びかけました。
ゼレンスキー大統領は、この日午後5時からソウル汝矣島(ヨイド)にある韓国国会で与野党議員らを前にオンライン演説を行いました。
大統領は、まずウクライナに対する韓国政府の支援に謝意を表明したうえで、「我々がロシアとの戦争で勝ち残るためには、もっと多くの支援が必要だ」として、「韓国には、ロシアのミサイルを防御できる様々な軍事装備がある。我々がロシアに立ち向かうことができるよう、韓国が支援してほしい」と述べ、軍事装備の支援を要請しました。
ゼレンスキー大統領のこうした発言は、公の場で韓国に軍事的支援を要請したものとして注目されています。
韓国政府は、ウクライナに対して、これまで防弾ヘルメットや毛布などの軍需物資や医療物資などの人道的支援を行ってきましたが、「殺傷兵器の支援はできない」との立場を重ねて示してきました。
また、ゼレンスキー大統領は、ロシアの侵攻について、「我々は20世紀に同じような破壊的行為を目の当たりにしてきた」とした上で、韓国戦争にも言及しました。
その上で、「韓国戦争で多くの韓国人が命を失ったが、韓国がそれを克服できたのは、国際社会が差し伸べた支援の手があったからだ」として、「国際社会の支援で、ロシアの変化を促すべきだ」と訴えました。
ゼレンスキー大統領は、ロシアのウクライナ侵攻以降、アメリカ、ドイツ、イスラエル、日本などでこれまで23回に渡って軍服のTシャツ姿でオンライン演説を行い、自国への支援を呼びかけてきました。