尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の就任式に参加した各国の賓客や政財界の要人など160人あまりを招いて、晩さん会がソウル奨忠洞(チャンチュンドン)の新羅ホテルで開催されました。
10日午後7時から始まった晩さん会には、アメリカのハリス副大統領の夫ダグラス・エムホフ氏や鳩山由紀夫元首相など各国からの賓客をはじめ、財界からはサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長やSKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長などが出席しました。
尹大統領は晩さん会の挨拶で、「新政権は自由と平和、繁栄に貢献し、堅固な安全保障と堂々とした外交を標榜する」としたうえで、「その実現に向け、韓米による包括的戦略同盟を強化する」と明らかにしました。
そして、「隣国日本とは、未来志向の協力関係を構築する」としたうえで、「中国は韓国の隣国だ。韓中国交正常化30周年を迎え、相互尊重の精神で、実質的かつ効果的な協力を模索する」と述べました。
尹大統領はこの日、各国からの使節団との会談に続いて晩さん会での挨拶でも、中国よりも日本を先に言及した点が注目を集めました。
これを前に、尹大統領は9日午後、ソウル通義(トンイ)洞にある執務室で鳩山元首相と会談し、「鳩山元首相が、2015年に西大門刑務所を訪問してくださったことを、日本の政治指導者の責任と勇気ある姿として多くの韓国人が未だに記憶している」と述べました。
代表的な親韓派として知られている鳩山元首相は、2015年8月12日にソウルの西大門刑務所を訪問し、広場にある追悼碑の前でひざまずいて謝罪しました。
尹大統領の報道官室はこの日、書面でコメントを発表し、「尹大統領は、隣国であり民主的価値と市場経済を共有する韓日両国が、関係改善を通じて実現できる成果が非常に多いとしたうえで、韓日協力がさらに発展できるよう、鳩山元首相が引き続き役割を果たすことを期待すると述べた」と明らかにしました。
これに対して鳩山元首相は、「未来志向の韓日関係の構築に向け、韓日両国がともに努力すべきだ」としたうえで、その実現に向け引き続き貢献する意向を示したということです。