現在、大統領執務室があるソウル龍山(ヨンサン)区のアメリカ軍基地の一部が、ことし9月の臨時開放を前に、10日から19日までの10日間、試験的に一般に開放されます。
開放されるのは大統領執務室となったかつての国防部庁舎前の南側エリアから国立中央博物館北側スポーツフィールドまでの10万平方メートルの区間で、これまでに韓国駐留アメリカ軍が返還した敷地の16%に相当します。
韓国駐留アメリカ軍の家族のための学校や宿舎などがあり、最近までアメリカ人家族などが使っていました。開放時間は午前9時から午後7時までで、2時間ずつ5回に分けて500人ずつが入場します。ただ、初日の10日は午前11時から3時まで開放されます。
ソウル地下鉄4号線の新龍山(シンヨンサン)駅付近にある韓国駐留アメリカ軍将校宿舎側の入口と、国立中央博物館北側の入口からアクセスできます。
韓国駐留アメリカ軍は、第2次大戦終了の1945年から龍山基地に駐屯し、主力の地上軍を指揮する第8軍司令部を置いていましたが、2004年、韓国とアメリカは龍山基地を含むアメリカ軍基地をソウル南方の京畿道平沢市に移転することで合意し、その後、基地移転とともに、国立の都市公園としての整備が進められています。ただ、敷地からは、基準値を超える汚染物質が検出されていて、安全を懸念する声が上がっています。
これについて、龍山公園企画団長は、「人工芝で舗装するなど土壌と人体の接触を遮断しているため問題ない」としていますが、汚染浄化作業を行わずに開放することへの懸念が高まっています。
政府は、9月からは訪問人数の制限を設けずに公園を臨時開放するとしており、安全性をめぐる論争はさらに激しくなるとみられています。