大統領府青瓦台から龍山(ヨンサン)に移転した大統領執務室は、公募で新しい名称を決める予定でしたが、当分は仮の名として使われていた「龍山大統領室」と呼ばれることになりました。
大統領室は14日、大統領執務室の名称を選定する会議で「新名称について勧告しないことを決めた」と明らかにしました。
このため、5月10日に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任してから使われていた仮称の「龍山大統領室」と呼ばれることになりました。
執務室の新名称は、4月15日からおよそ1か月間、国民からの公募を行ったところ、およそ3万件もの応募がありました。
その中から「国民の家」「国民庁舎」「梨泰院路(イテウォンロ)22」など5つの最終候補を選び、2万9189人を対象にるオンライン投票が行われましたが、得票が過半数に達した候補がなかったことや、各候補ごとに否定的な世論があったことから、どれか1つを選び国民的な共感を形成するのは難しいと判断したということです。
最も多くの票を集めたのは、大統領執務室の住所である「梨泰院路22」(32.1%)で、「国民庁舎」(28.1%)がそれに次ぎました。
審議の結果、「梨泰院路22」は国民と同じ住所を使うということから「平等」を象徴する点が評価されましたが、大統領執務室の名称としてはやや軽い印象を与える点や、イギリスの首相が居住する官邸の所在地「ダウニング街10番地」などとの類似性が指摘されました。
大統領府青瓦台は、1948年に韓国政府が樹立された当時、李承晩(イ・スンマン)初代大統領が名付けた「景武台(キョンムデ)」と呼ばれていましたが、1961年に当時の尹譜善(ユン・ボソン)大統領によって改称され、その後61年間、「青い瓦の家」を意味する「青瓦台」の名で親しまれてきました。