北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長が、20日近く公開活動を行っていないことに注目が集まっています。
金委員長は、今月8日に党の生活指導を担当する幹部を対象に開催された「特別講習会」で記念撮影を行ったあと、19日間公開活動を行っていません。
ことしに入って20日近く金委員長の公開活動が報じられなかったのは、異例のことです。
金委員長は、北韓が韓国戦争の停戦協定締結69周年をきっかけに、今月26日に平壌（ピョンヤン）で開催した「第8回全国老兵大会」にも出席しませんでした。
北韓は、この老兵大会に戦争を戦った元兵士らを招待し、手厚くもてなす姿を公開してきました。
金正恩政権発足後、合わせて7回開催されましたが、金委員長はこのうち2015年と2020年、そして去年の3回出席し、演説しました。
ことしの老兵大会は、北韓が7回目の核実験の準備を事実上完了し、金委員長の決断だけが残されているなかで開催されたため、金委員長が出席して演説する可能性が指摘されていました。
しかし、金委員長が出席せず、アメリカに対する批判や核実験に関する言及もなかったことから、北韓は国内外の情勢を見守っているとの分析が出ています。
一方、韓米の軍や情報当局は、北韓が北東部の豊渓里（プンゲリ）核実験場の3番坑道で、いつでも核実験を行える準備を整えたとする見方を示しています。