尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、大統領室の再編の一環として政策調整のコントロールタワーの役割を担う政策企画首席秘書官のポストを新設し、李官燮(イ・グァンソプ)韓国貿易協会副会長を抜擢しました。
また、次期広報首席秘書官には、与党「国民の力」の前国会議員・金恩慧(キム・ウンヘ)氏を内定したほか、空席だった国家安保室第2次長には、イム・ジョンドク予備役陸軍少将が任命されました。
金大棋(キム・デギ)大統領室秘書室長は21日、ソウル市龍山(ヨンサン)の大統領室で記者会見し、こうした内容を含めた大統領室の組織再編案を発表しました。
尹政権発足から104日ぶりに行われた、初の再編となります。
政策企画首席秘書官に抜擢された李官燮氏は、産業通商資源部でエネルギー資源室長、産業政策室長を歴任して2016年に退官。その後は、韓国水力原子力社長を経て、イーマートなど大企業の社外取締役を務めて民間での経験を積み、去年2月からは、韓国貿易協会の副会長を務めていました。
李官燮氏について金室長は、「国政全般に対する企画調整能力のほか、政務感覚を備えている」としたうえで、「今後の国政運営において政府省庁と大統領室、国民の間の疎通をより円滑に行い、尹政権の中核的な国政課題を実現する適任者だと判断した」と説明しました。
また、広報首席秘書官に内定したMBCテレビの記者・アンカー出身の金恩慧氏は、尹大統領の当選後に報道官を務めた「メディア通」として知られ、2008~2010年の李明博(イ・ミョンバク)政権では、青瓦台の報道官を務めました。
金恩慧氏について金室長は、「広報とメディア分野において最高の専門性を備えている。選挙対策委員会の公報団長などを務め、尹大統領の国政哲学に対する理解が高いため、正確な情報伝達と意思疎通が可能な適任者だ」と話しました。
国家安保室第2次長に任命されたイム・ジョンドク予備役陸軍少将は、陸軍士官学校の42期で、合同参謀本部の秘書室長、陸軍第17師団長を歴任。2016年の朴槿恵(パク・クネ)政権では、青瓦台で国防秘書官を務めました。
イム・ジョンドク氏について金室長は、「国防部と合同参謀本部の主要ポストをすべて歴任した。国防政策と軍事戦略分野において、最高の専門家として認められている政策通だ」と説明しました。