アメリカ国内で生産された電気自動車だけに優遇税制を適用するとした「インフレ抑制法」が施行されるのを受けて、韓国政府は、アメリカをWTO違反で提訴することを検討する考えを明らかにしました。
バイデン大統領が16日、署名した「インフレ抑制法案」にはアメリカ国内で生産されたEVに限って税額控除を行うとする条項があり、韓国国内で電気自動車を生産している現代自動車は現地の販売で不利になる可能性があります。
産業通商資源部の李昌洋(イ・チャンヤン)長官は、アメリカのインフレ抑制法案をめぐって「アメリカ合衆国通商代表部(USTR)に対し、WTO規定違反、韓米FTA規定違反の可能性があることについて懸念を伝えたほか、WTO提訴も積極的に検討する方針だ」と明らかにしました。
これまで韓国は、アメリカを相手に14回のWTO提訴を行い、このうち9回勝訴判決を得ましたが、提訴の結果が出るまでは最低でも数年がかかるものと見られます。
一方、韓国の自動車大手、現代(ヒョンデ)自動車は、アメリカ・ジョージア州に予定しているEV=電気自動車工場の建設を前倒しすることを検討しています。
自動車業界によりますと、現代自動車はジョージア州に建設予定のEV工場を本来は、来年上半期に着工し、2025年上半期に竣工とEVの量産を目標としていました。
この着工時期をことしの10月に前倒しし、2024年下半期の竣工を目指す方針だということです。
ただ、一部では現代自動車がアメリカでの生産を早期に増やすことで国内の雇用に与える影響を懸念する声もあります。