最近の北韓軍の動向について韓国国防部は、北韓の核実験に特異な動向はないとする認識を示しました。
李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官は、29日の国会国防委員会で北韓について報告し、「北韓北東部の豊渓里(プンゲリ)核実験場の3番坑道は、核実験を実施できる状態にあるが、現在、特別な動向は確認されていない」と述べました。
またミサイルについて、「北韓は、ICBM=大陸間弾道ミサイルやSRBM=短距離弾道ミサイルなどの発射準備を続けている」と述べました。
北韓軍は、韓米合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド(UFS)」に対応して警戒勤務を強化する一方、夏季訓練と新型コロナウイルスの感染予防対策、大雨被害の復旧に当たっているということです。
そして北韓は、非核化措置に合わせて経済支援などを行うという韓国の「大胆な構想」を拒否する姿勢を示して韓国への非難を続ける一方で、アメリカとの関係では、国家権力守護のためには一歩も譲歩しないとする「強対強、正面勝負」の闘争原則を堅持し、中国・ロシアとの連携を強化していると、李鐘燮国防部長官は報告しました。
李長官はまた、16日から2日間、ソウルで開かれた韓国国防部とアメリカ国防総省による高官級協議、統合国防対話(KIDD)についても報告し、韓国政府の「大胆な構想」と、非核化・平和・繁栄の韓半島という目標と原則を韓米が共有したと説明しました。
この協議では、ことし5月の韓米首脳会談での合意にもとづいて、「拡大抑止戦略協議体」の会議を来月、ワシントンで開催するほか、先月の韓米国防相会談で議論した拡大抑止のための戦略兵器の運用演習も近く行うことで一致したということです。