韓国の8月の貿易収支が、１か月としては最も大きい、94億7000万ドルの赤字となりました。
産業通商資源部が発表したところによりますと、8月の輸出額は去年の8月に比べて6.6%多い566億7000万ドルと、8月としてはこれまででもっとも多かったということです。
しかし輸入額も28％増えて661億5000万ドルと、これまででもっとも多くなりました。
このため輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、94億7000万ドルの赤字となり、月間としてはこれまででもっとも大きくなりました。
貿易収支の赤字はことし4月から続いていて、5か月連続の赤字は2008年の金融危機以来、14年ぶりのことです。
主な輸出品目のうち、自動車や石油製品などは増えていますが、全体の輸出の20％を占める半導体の輸出が減ったことが影響しました。
半導体の輸出が前年同期に比べて減ったのは26か月ぶりです。
これに加えて、エネルギー資源の輸入額がウォン安で90%増えたほか、半導体や2次電池の材料などの輸入も大きく増えて、赤字幅を広げました。
国別には、もっとも大きなウェートを占める中国に対する貿易収支が4か月連続で赤字となりました。
こうしたことから、8月までの貿易収支の累積赤字は、247憶ドルを超えました。
政府は、「輸出と輸入がいずれも伸びて、ことし上半期の韓国の貿易額は世界7位になった。しかし貿易赤字については重く受け止めており、今後、輸出の拡大を通じて貿易収支を改善させることに総力を注ぐ」と強調しています。