北米以外で組み立てられたEV=電気自動車を税額控除の対象から除外することを盛り込んだアメリカの「インフレ抑制法」をめぐる懸念を伝えるため、産業通商資源部の安徳根(アン・ドックン)通商交渉本部長がアメリカ・ワシントンを訪問します。
産業通商資源部によりますと、安徳根本部長は、5日から7日までワシントンを訪問し、アメリカ政府や議会の要人と面会するということです。
アメリカでこのほど成立した「インフレ抑制法」には、北米で組み立てられた電気自動車に限って税額控除を行う条項があり、電気自動車を韓国国内で製造し輸出している韓国メーカーは、販売競争で不利になる可能性があります。
このため先月末には、産業通商資源部や外交部、それに企画財政部の関係者からなる政府代表団がアメリカ通商代表部(USTR)や財務省を訪問し、韓国政府や業界の懸念を伝えています。
安徳根本部長は、出発前に記者団に対し、「同じような立場にあるEU=ヨーロッパ連合や日本とも協力して対応していく。必要な場合、WTO=世界貿易機関への提訴を行うことも考えている」と述べました。
アメリカの「インフレ抑制法」については、EUや日本も懸念を示していて、アメリカ通商代表部によりますと、キャサリン・タイ代表が現地時間の1日、EU執行委員会のバルディス・ドムブロフスキス副委員長と電話で会談し、この問題を含む通商懸案について協議したということです。
また、ワシントンの日本大使館の報道官は、アメリカの政治専門メディア「ポリティコ」の取材に対して、「われわれは今回の措置がWTOのルールに合致するものか疑問があり、様々なルートを通じてアメリカ政府に懸念を伝えてきた。EUを含むほかのパートナー国との共同対応にも努めていく」と述べています。