アメリカが、ICBM=大陸間弾道ミサイル「ミニットマン3」の発射実験を、現地時間の7日早朝に行う予定だと、アメリカ国防総省が、6日、発表しました。
アメリカ軍がICBMの発射実験を事前に予告したのは、異例のことです。
アメリカ国防総省のライダー報道官は、6日の定例記者会見で、「7日早朝に西部カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地で、ミニットマン3の発射実験を行う」と明らかにしました。
ライダー報道官によりますと、今回の発射実験はかなり前から計画されていたもので、ロシアなどにも事前通知したということです。
アメリカ軍はこれまで、ミニットマン3などICBMの発射実験を行ったあと、メディアが報じるまでは、公式の発表を行っていませんでした。
今回の事前予告は、ロシアのウクライナ侵攻が長期化しているほか、台湾をめぐって中国とも対立しているなかで行われました。
また韓米合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド(UFS)」が行われた先月末、北韓がICBMの発射基地とされる北西部東倉里(トンチャンリ)の西海(ソヘ)衛星発射場で、ロケットエンジンの試験を行っていることから、アメリカの事前予告の狙いに注目が集まっています。
これを前に、アメリカは8月16日、バンデンバーグ宇宙軍基地で再突入機を搭載したミニットマン3の発射実験を行いました。
当時は、8月2日にアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことで、中国との緊張が高まっていました。
ミニットマン3は、射程距離9600キロ、時速2万4000キロで、有事の際には核弾頭を装着でき、アメリカの核戦力の一つとされています。