北韓の最高人民会議が、核兵器の使用をたやすくできるようにした法令を採択したことについて、韓国外交部は9日、北韓の完全な非核化を引き続き目指していく考えを表明しました。
外交部の当局者は9日、「北韓の完全な非核化を推進するという政府の立場は揺るぎない。北韓の核脅威を抑止し、核開発を断念させ、対話と外交によって非核化を推し進めていくというアプローチを揺るぎなく続けていく」と述べました。
そのうえで、北韓に対して、核による威嚇をやめ、非核化措置に合わせて経済支援などを行うという尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の「大胆な構想」に速やかに応じるよう求めました。
朝鮮中央通信によりますと、北韓は7~8日に開いた国会に相当する最高人民会議で、核兵器の使用条件などを定めた法令を採択し、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は演説で、「核兵器政策を法制化する最大の意義は、核兵器をめぐって駆け引きができないように、後戻りできない一線を引くことだ」と述べたうえで、100年の制裁に直面しても核兵器を放棄することはないと強調しています。
一方、アメリカは、北韓との外交を模索し続けている姿勢を示しました。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官は9日、「北韓と敵対する意図はない。今後も同盟国やパートナー国と緊密に連携して、韓半島の完全な非核化という共通の目的に向けて注力する」と記者団に述べました。
ジャンピエール報道官はそのうえで、「我々は外交を追求し、前提条件なしに会談する用意があると伝えているが、北韓は依然として応答していない」と語りました。