中国共産党序列3位の栗戦書(りつ・せんしょ)全国人民代表大会常務委員長が、韓国と中国の国交樹立30年を記念しておよそ60人の団員とともに15日、韓国入りします。
今回の訪問は、韓中国交樹立から30年を記念しての、韓国の金振杓(キム・ジンピョ)国会議長の招きによるもので、ことし2月初めに当時の朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長が中国を訪れたことへの返礼にあたります。
栗委員長は、「遂行団」という名前の60人あまりからなる大規模な団員とともに15日午後、韓国入りします。
一行は、16日に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を表敬訪問し、金振杓国会議長と会談したあと、共同記者会見を行い、17日に帰国する予定です。
栗委員長は訪問期間中、LGグループの研究開発組織が集うソウルLGサイエンスパークを視察し、韓中両国の技術協力について話し合う見通しです。
ことし7月にアメリカのイエレン財務長官もLGサイエンスパークを視察していますが、当時イエレン財務長官は中国が資源を武器にとっていることへの懸念を示していて、今回の視察はアメリカをけん制する形となりそうです。
栗委員長は、今月7日からロシア、モンゴル、ネパールを歴訪していて、韓国は最後の訪問先です。
栗委員長は習近平国家主席の最側近で、今回の訪問は、尹政権との関係強化に重きが置かれているとされます。
なかでも、韓中両国が対立を深めているアメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」や、アメリカ主導のサプライチェーンの再編など敏感な懸案をめぐって、栗委員長がどのような立場を示すかが注目されます。
また北韓が核政策の法制化など核の脅威を強めていることについて、どのようなメッセージを発するかにも、関心が寄せられています。
中国の全国人民代表大会常務委員長の韓国訪問は、2015年6月からおよそ7年ぶりです。