ソウル地下鉄2号線の新堂(シンダン)駅で、女性駅員を普段からストーキングしていた職場の同僚が、この女性を殺害する事件が起きたことについて、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、16日、再発防止に向けてストーカー行為法を見直すよう法務部に指示しました。
ソウル市中区の地下鉄2号線新堂駅のトイレで、14日、普段から20代の同僚女性駅員をストーキングしていた職場の同僚の30代の男が、この女性駅員を殺害する事件が起き、男は現行犯逮捕されました。
男は、被害者をストーキングした疑いなどで、すでに在宅起訴されていて、一審判決を翌日に控えていたことから、恨みを抱いて犯行に及んだものとみられています。
この事件について尹大統領は16日、記者らに対して、「事件は国民に大きな衝撃を与えた。去年、ストーキング防止法を制定・施行したが、被害者保護が不十分だという指摘が多かった。二度とこのような犯罪が起きないよう、法律を見直すよう法務部に指示した」と語りました。
韓国では、「ストーキング犯罪の処罰等に関する法律」が、去年10月21日に施行され、ストーカー行為に対して、警察が警告や禁止命令などの措置を、加害者に対してとることを定めていますが、法律の施行後も、ストーカー事件は増加を続けています。
警察庁によりますと、警察が相談や通報を受けてストーカー事件として認知した件数は、去年11月には277件だったのが、ことし3月には2369件に増えています。
ストーカー犯罪の増加を受けて、法務部は先月、ストーカー犯罪で懲役を宣告された人の足首に、GPS=衛星利用測位システム機能がついた足輪を装着させ、常時行動を監視することができるようにする「電子装置付着等に関する法律」の一部改正案を立法予告しています。