岸田総理大臣は3日の所信表明演説で、「韓国は国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国である」と述べました。 
そのうえで、「国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させていく必要があり、韓国政府と緊密に意思疎通していく」としました。
ことし１月に行われた施政方針演説では、岸田総理大臣は韓国に対して、「我が国の一貫した立場に基づき、適切な対応を強く求めていく」としていました。ここで示された日本の立場とは、元徴用工被害者への賠償判決は、国際法違反であるというもので、韓国政府に対応を求めていく姿勢が表れています。
しかし、就任後４回目となる今回の国会演説では、韓国政府に対応を求める趣旨の発言をせず、重要な隣国である韓国と緊密に意思疎通していく姿勢を示しました。
こうした変化は、先月ニューヨークで韓日首脳会談が開催されるなど、両国間の対話が活発になっていることが、背景にあるとみられます。