北韓の朝鮮中央通信は10日、9月25日に貯水池の水中発射場で弾道ミサイル発射訓練を行ったとし、小型のSLBM水中発射型短距離弾道ミサイルを発射する様子をおさめた写真を公開しました。
北韓が貯水池の水中発射場からミサイルを発射したのは初めてで、貯水池に平底の船舶を設置し、ガス発生装置を使ってミサイルを発射筒から打ち出すコールドローンチ方式で発射したものとみられます。
これが実戦用の設備だとすると、世界初の貯水池に固定配備されたSLBMになります。
コールドローンチ方式は、韓国軍による探知が難しく、専門家は、北韓のミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃する韓国のミサイル迎撃システム「キルチェーン」を無力化できることを誇示するために北韓が写真を公開したと分析しています。
北韓はことし、列車を含むさまざまな場所や発射台からミサイルの発射実験を実施しています。
一方、韓国軍は10日、北韓が8日に戦闘機およそ150機を動員して「大規模航空攻撃総合訓練」を実施したと発表しました。
北韓の朝鮮中央通信も10日、「朝鮮東海に再進入したアメリカ海軍の空母を含む連合海軍の海上連合機動訓練が行われているなか、史上初めておよそ150機の各種戦闘機を同時出撃させる朝鮮人民軍空軍の大規模航空攻撃総合訓練が行われた」と報じています。
北韓の戦闘機は、韓国軍が設定する特別監視線を越えることなく飛行し、韓国空軍は、戦闘機およそ30機による警戒監視飛行などの措置を取ったもようです。
150機の動員は極めて異例で、専門家は北韓が核攻撃だけでなく、様々な形の局地戦での挑発能力を誇示し、武力を誇示する効果を最大限高めたいとの狙いがあるという見方を示しています。