北韓は14日未明に続いて、14日午後も韓国との軍事境界線付近で砲射撃を繰り返しました。
韓国軍合同参謀本部によりますと、北韓は14日午後5時頃から午後6時30分頃まで東部の江原道(カンウォンド)長箭(チャンジョン)付近から韓半島東の海、東海(トンヘ)に向けておよそ90発、午後5時20分頃から午後7時まで西部の黄海道(ファンヘド)海州(ヘジュ)湾などから韓半島西の海、西海(ソヘ)に向けておよそ300発、合わせておよそ390発の砲射撃を行ったということです。
着弾地点は2018年9月に結んだ南北軍事合意で一切の敵対行為が禁じられた境界区域内で、韓国領海への着弾は確認されていないということです。
韓国軍は北韓側に対し、これらの砲兵射撃が南北軍事合意違反であるとし、直ちに挑発を中止するよう求める警告通信を複数回行いました。
砲射撃を繰り返したことに関し、朝鮮人民軍参謀部は15日、「南の砲射撃に対する対応射撃だった」とし、「韓半島の緊張を激化させる敵の挑発を絶対に黙認せず、徹底的かつ圧倒的な軍事対応を行う」とする報道官声明を発表しました。
韓国軍によりますと、韓国駐留アメリカ軍は13日、軍事境界線周辺の射撃禁止区域の南方で訓練を行っていました。
北韓の砲射撃について、専門家からは、韓国政府が最近南北軍事合意破棄の可能性に言及したなか、南北軍事合意違反に当たる行為を繰り返し、韓国側の出方をうかがう狙いがあるとの見方が出ています。