太平洋戦争中に日本の機械メーカー、不二越の工場で強制労働させられたとして被害を訴えていたキム・オクスンさんが16日、亡くなりました。93歳でした。
キムさんは小学6年生だった1945年、当時軍需工場だった不二越の富山事業所に入り、過酷な環境下で労働をさせられたということです。
不二越をめぐっては、強制労働をさせられた韓国人女性13人が2003年に損害賠償を求める訴訟を起こしましたが、富山地方裁判所は、徴用工問題は1965年の韓日請求権協定で解決済みだとして、原告敗訴の判決を下しました。最高裁に上告したものの、2011年に上告は退けられました。
その後、被害者らは2013年に韓国で損害賠償を求める訴訟を起こしました。キムさんは、メディアの報道でこの訴訟について知り、2015年から訴訟に参加してきました。追加の訴訟も合わせた原告、合計23人は、2019年に二審で勝訴しました。最高裁に当たる大法院の判決はまだ出ていません。
原告団は高齢化が進み、今回キムさんが亡くなったことで、 不二越を相手取った訴訟での存命の原告は、10人に減りました。