北韓が南北の緩衝区域に向けて相次いで砲撃を行っていることについて、アメリカ国務省が現地時間の19日、懸念を表明したうえで、北韓との対話の姿勢に変わりはないと強調しました。
国務省の副報道官は19日、定例の会見で、北韓の砲撃について「国際社会の関心を集めるためのものととらえているか」という質問に対して、「北韓の考えを推測することはしない。ただ、今週、連日のように行われた砲撃は深刻に憂慮すべきものだ」と答えました。
またこの副報道官は、「域内情勢をさらに不安定にし、われわれがこの問題で引き続き緊密に連携している同盟国の韓国、日本に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘しました。
北韓は韓国時間の14日から19日午後にかけて、韓半島東の海、東海と、西の海、西海にそれぞれ設定された南北の緩衝区域に向けて数百発の砲撃を行い、2018年9月の南北軍事合意に違反しています。
この副報道官は、一部で持ち上がっている韓国との「核共有」論については、「バイデン大統領が、核や通常兵器、ミサイルなど、アメリカのあらゆる防衛能力を使って拡大抑止を提供すると韓国に対して約束したのをみたはずだ」と述べました。
拡大抑止による防衛を強調することで、戦術核の共有はあえて要らないという点を遠回しに説明したものとみられます。
アメリカ国防総省の報道官が前日18日の会見で、戦略資産の韓半島への常時配備について、「在韓米軍の駐留が、アメリカの韓国防衛の約束だ」と述べ、否定的な見方を示したのと同様のスタンスです。