北韓が3日の朝に発射したミサイルは、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星17型」とみられますが、正常飛行には失敗したもようです。
合同参謀本部が3日、発表したところによりますと、北韓は午前7時40分ごろ、平壌(ピョンヤン)郊外の順安(スナン)付近から韓半島東の海、東海(トンへ)に向けてICBM1発を発射しました。
このミサイルは、最高高度およそ1920キロ、飛行距離およそ760キロ、最高速度およそマッハ15と推定されるということです。
韓国軍は、このミサイルについて、北韓がおととし10月の労働党創建75周年を記念する軍事パレードで公開した最新のICBM「火星17型」とみています。
発射後、1段目と2段目の推進体の分離には成功しましたが、その後、推進力を失い正常に飛行できず、東海上に落下したとみられます。
北韓はことし3月16日にも「火星17型」を発射していて、このときは高度20キロ未満の初期の段階で爆発しました。
今回は正常角度(30~45度)より高い角度で発射し、1段目と2段目の分離まで成功したため、技術的な進展があったものとみられます。
北韓のICBMの発射はことしに入って7回目です。
北韓はこのあと午前8時39分ごろにも、中部、平安南道(ピョンアンナムド)价川(ケチョン)付近から短距離弾道ミサイル2発を相次いで発射しました。
この2発は、ロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を改良した北韓版「KN23」と、地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」に似た「KN24」とみられ、最高高度およそ70キロ、飛行距離およそ330キロ、最高速度およそマッハ5と推定されています。
これらのミサイルは、通常の弾道弾とは異なる軌道で飛行するため、捕捉や迎撃が難しいとされています。
2日、東海のNLL=北方限界線の南側に落下したミサイルは、韓国への攻撃を想定したものとされていますが、今回のICBMはアメリカへの軍事的圧力を高めるためのものとみられます。
韓国の軍当局は、8日にアメリカの中間選挙が行われることから、北韓の7回目の核実験が迫っていると分析しています。