強い台風14号が、12日から13日にかけて、韓国を襲い、13日午後3時現在 死者・行方不明が76人も出るなど、大きな被害が出ました。台風14号は、12日午後4時、済州島に上陸したあと、夜10時、南海岸の慶尚南道泗川(サチョン)市に再上陸し、蜜陽をへて13日午前10時半、東海岸の慶尚北道ウルチン郡から東海に抜け、ウルルン島の北を通って韓国から遠ざかりました。済州島の北済州郡では、12日午後4時、最大瞬間風速60メートルと、韓国の気象観測史上で一番の強い風を記録しました。また雨量も多く、南海岸の島、慶尚南道の南海島では、降り始めからの雨量が452.5ミリに達しました。この強い風と雨で、各地で被害が続出し、南海岸から40キロ入った慶尚南道宜寧(ウィリョン)郡カレ面では、谷川の水があふれて周辺の家5棟が流され、チュ・ソンチュさん(73)の一家5人が遺体で発見されました。中央災害対策本部によりますと、13日午後3時までに届出のあった死者は、43人、行方不明33人にのぼり、台風が通った慶尚南道、慶尚北道、済州島に集中しています。また内陸部の忠清北道の国鉄中央線丹陽駅付近で、13日午前0時40分頃、安東発清涼里行きの特急セマウル号が、線路に崩れ落ちた土砂に乗り上げて機関車など先頭の3両が脱線し、乗客28人がけがをしました。さらに、南海岸の全羅南道麗水市シンプンでは、国鉄全羅線の線路の路盤が高波を受けて流失し、国鉄全羅線はこの区間で運転できなくなりました。一方、釜山港では、強烈な風でコンテナ-荷役用の巨大なクレーンが11基も倒壊し、荷役作業に大きな支障をきたしています。このほか、道路の損壊、田畑の冠水、停電などもあって、被害は韓国南部を中心にさらに増えそうです。