韓国の国会が10日の本会議で、北韓が弾道ミサイルを相次いで発射していることを非難し、7回目の核実験の準備をただちにやめるよう促す決議を採択しました。
本会議には与野党の議員194人が出席し、決議は賛成190票、反対0票、4人が棄権し採択されました。
この決議案は、今月4日に国会国防委員会で可決し、本会議に提出されました。
国防委員会に所属する与党「国民の力」の議員は、決議案を提案した背景について、「北韓は南北分断以降初めて、海上の軍事境界線にあたるNLL=北方限界線の南側にミサイルを発射した。これを含めてことしに入って30回以上にわたり、80発以上のミサイルを発射した」と説明しました。
この議員は、「北韓の相次ぐ挑発は、2018年9月19日の南北軍事合意だけでなく、国連安保理の決議に違反し、韓半島の平和を脅かす重大な不法行為で、韓国の国会はこれを強く非難するとともに、北韓当局がただちにやめるよう促す」と述べました。
また、「今後発生し得るすべての事態は北韓に責任があることを明確にし、韓国政府に対しては、北韓の非核化を平和的に成し遂げるため韓米同盟をさらに強固にし、強力な安全保障体制を最短時間で構築するよう求める」と話しました。
これに対して野党「正義党」は、声明を発表し、「北韓の武力行為に断固として反対するという点と外交的解決を求めるという点には十分共感を覚えるが、これらすべてが色あせてしまうほどの敵対的表現や内容が決議に盛り込まれていることは遺憾だ」と述べました。
また「決議は、最近の北韓の行為を一方的挑発と定め非難しているが、北韓の行為は、2019年2月にベトナムのハノイで開かれた米朝首脳会談が物別れに終わってからの信頼関係の破壊や軍備競争などが積み重なった相互作用の結果だ」と主張しました。