尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談が15日、開催され、尹大統領は中国に対し北韓の挑発を抑制するための役割を要請し、習主席は北韓の意向がカギだという考えを示しました。
両首脳は、G20=主要20か国首脳会議が開かれているインドネシアのバリで首脳会談を行いました。韓国と中国の間の首脳会談はおよそ3年ぶりです。
大統領室によりますと、尹大統領は北韓が最近、異例の頻度で挑発を続けていていることに触れながら、国連安全保障理事会の常任理事国であり、隣国でもある中国に対し、「積極的かつ建設的な役割を果たしてほしい」と呼び掛けました。
これを受けて習主席は、韓半島問題をめぐって韓国と中国は共通の利益を持っているとしたうえで、「韓国が南北関係を積極的に改善していくことを期待する」と語りました。また、尹大統領の対北韓政策である「大胆な構想」については、北韓が呼びかけに応じれば、構想の実施を支持するという考えを示しました。
両首脳はまた、国交30周年を迎え、互恵と相互利益に基づき、両国関係をより発展させていくことで一致しました。このなかで、尹大統領はハイレベルの対話を定期的に行うことを提案し、習主席もこれに同意するとともに、民間も含めた「1.5トラック」の対話体制を構築して意思疎通を拡大し、政治的信頼を積み重ねていこうと呼びかけたということです。
そのほか、両首脳は、韓中FTA=自由貿易協定の第2段階の交渉を早急に終えることや、民間交流の活性化に取り組むという点でも一致したということです。