食糧危機に直面している国にウクライナ産の穀物を支援する国際社会の計画に、韓国も参加することになりました。
外交部の任洙ソク(イム・スソク)報道官は29日、「政府は『ウクライナ穀物構想』に参加し、WFP=国連世界食糧計画を通じて300万ドルを支援する予定だ」と発表しました。
「ウクライナ穀物構想」とは、黒海を経由して輸出されるウクライナ産の穀物の一部を、スーダンやイエメンなど食糧危機に直面している国に送る人道支援事業です。
この構想は、ウクライナのゼレンスキー大統領が今月15日、G20=主要20か国の首脳会議で提案したもので、G7=主要7か国とヨーロッパ連合の一部が参加を決めています。
任報道官は、参加の理由について、「世界の食糧危機を解消するための国際社会の取り組みに賛同するため」と説明しました。
ただ、この構想はロシアが黒海の港を再び封鎖できないようするための圧力だという指摘もあります。
ロシアは先月29日、クリミア半島に停泊していたロシアの船舶をウクライナ軍がドローンで攻撃したとして、黒海の航路の通常運営に向けた交渉を無期限で中止する方針を明らかにしました。
これに対して、外交部の当局者は、「ウクライナ穀物構想は、純粋な人道主義にもとづいて食料を供給する事業だ。ウクライナのオデッサにある港の通常運営に関する政治的な意図はない」と説明しました。