ウクライナでの戦闘に使われる兵器が北韓からロシアの民間軍事会社に輸出されたと、アメリカ政府高官が明らかにしました。
アメリカ国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は22日の記者会見で、北韓がロシアの民間軍事会社「ワグネル」に兵器を供給したことを確認したと明らかにしました。
それによりますと、「ワグネル」は先月、歩兵用のロケットやミサイルを北韓から受け取り、代金はロシア政府ではなくワグネルが支払ったということです。
カービー氏は、「ワグネル」に渡った兵器の規模は「ウクライナでの戦況を変えるものではない」と指摘する一方、「北韓が更なる兵器の供給を計画していることを懸念している」と述べました。
カービー氏はまた、今回の武器輸出は北韓による兵器の輸出を禁じた国連安保理決議に違反しているとして非難し、国連安全保障理事会でこの問題を提起する考えを示しました。
「ワグネル」は2014年の設立以来、ウクライナ東部のドンバス地域などで親ロシア派を支援する活動などを行ってきており、アメリカ政府は、「ワグネル」がウクライナにおよそ5万人の戦闘員を派兵していると推定しています。
一方、アメリカのブリンケン国務長官は22日、国務省で記者会見し、来年も同盟国と連携し、引き続き北韓に圧力をかけていく考えを示しました。
ブリンケン氏はまた、「北韓が望めば外交の扉は依然として開かれている」とし、来年の早い時期に予定している中国訪問の際に、核・ミサイル開発を続ける北韓に自制を促すよう、中国の協力を求める意向を明らかにしました。