徴用被害者らを支援する韓国の財団が、定款に「被害者への賠償」に関する項目を加える手続きを進めていることがわかりました。財団が日本企業の賠償金を肩代わりする際の法的根拠を作るための動きとみられます。
KBSの取材によりますと、「日帝強制動員被害者支援財団」は今月21日に理事会を開き、財団の業務を規定する定款に「被害者への賠償」に関する項目を加えることを決めました。法的な検討を経て、来週にも行政安全部長官に承認を申請するということです。
財団側はKBSに対し、「外交部など政府からの公式な要請はなかった」としたうえで、「4回にわたって開かれた徴用被害者の賠償問題の解決策を探る官民協議会で、財団を活用して補償する案が有力に議論されたため、事前の準備をしている」と説明しました。
徴用問題の解決策をめぐって、韓日両政府は日本企業の賠償金をこの財団に肩代わりさせる案を軸に協議を続けています。
原告に対する説明などの作業も行われていて、外交部は今月20日と22日に、ソウルと光州(クァンジュ)の被害者支援団体とそれぞれ面談し、財団が日本企業の賠償を肩代わりする「代位弁済」や、債務者の債務を免除せず第三者が同一の債務を引き受ける「併存的債務引き受け」の2つの案が有力な解決策として議論されていることを説明しました。
日本政府と日本企業による賠償を求めてきた被害者側はこうした政府の動きに強く反発していて、被害者側の弁護人や「民族問題研究所」「日帝強制動員市民集会」などの支援団体は26日午後、ソウルと光州で同時に記者会見し、政府が提示した案に対する立場を表明することにしています。