旧日本軍の関与によって慰安婦となり被害を受けた李玉善(イ・オクソン)さんが26日、亡くなりました。94歳でした。李さんが亡くなったことで、政府に登録されている元慰安婦240人のうち、生存者は10人となりました。
1928年生まれの李さんは16歳のとき、中国の満州にある慰安所に連れていかれ、日本の植民地支配から解放された1945年に帰国しました。
韓国に戻った李さんは、慰安婦としての被害を証言する活動を続け、2013年には、ほかの元慰安婦と共に、日本政府に損害賠償を求める訴訟を起こし、去年1月、1審で勝訴しました。ソウル中央地裁は日本政府に対し、原告1人あたり1億ウォンを支払うよう命じましたが、日本政府は、国際法上、外国政府が他国の裁判で被告にはならないとする「主権免除」の原則から、判決は受け入れられないとの立場を示しています。