韓国軍は、北韓の無人機による挑発を想定した軍全体の合同防空訓練を29日に行います。
韓国軍は今回の訓練で、北韓の無人機が領空に侵入した際に適切な対応ができなかった地上の対空兵器の問題点を洗い出し修正するほか、陸軍ヘリと空軍空中戦力を有機的に統合運用することで効率性を高めたい考えです。
韓国軍全体が実戦を想定した統合訓練を行うのは5年ぶりです。
韓国では26日、北韓の無人機5機が領空に侵入し、このうちの1機はソウルの北部まで接近しました。
無人機はいずれも翼の全長が2メートルほどの小型で、探知や追跡が難しいとものといわれていますが、事前に挑発の兆候を把握していた韓国軍が撃墜に失敗したことが大きな問題となっています。
今回の合同演習にさきがけて、合同参謀本部は27日から韓国軍の対応の問題点を洗い出すため、現場点検を行っています。
また有人の戦闘機に対応する戦力を小型無人機に対しても活用できるよう最適化したシステムをつくるほか、敵の無人機を監視する防空レーダーの監視範囲を北韓サイドまで広げる方針です。
また、軍当局は、これまでは「受け身」の姿勢だった北韓の無人機への対応を「攻め」の姿勢に変えるとしています。
北韓の挑発のレベルに応じて、韓国も無人機を北韓に侵入させ、偵察活動を行う方針で、平壌(ピョンヤン)だけでなく、平安北道(ピョンアンブクド)東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射場などを撮影し、その画像を公開する案などが検討されているということです。
長期的には、向こう5年間、5600億ウォンを投じて、防空レーダーの拡充や、妨害電波で無人機の機能を停止させるシステムの開発と戦力化を行う方針です。