尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は29日午後、韓国を訪れている公明党の山口代表と会談し、韓日関係の改善に向けて協力していくことで一致しました。
大統領室によりますと、尹大統領は山口代表との会談で、「北韓の挑発に対抗し、韓日両国が安全保障の面で緊密な協力をしなければならない」と述べたうえで、「韓日関係の懸案が早急に解決されるよう共に努力したい」と呼びかけました。「韓日関係の懸案」は、日本による植民地時代の徴用被害者への賠償問題を意味するものとみられます。
尹大統領はまた、5月の就任後にソウルの金浦(キンポ)空港と羽田空港を結ぶ航空路線が再開したことなどによる両国間の人的交流の拡大にも言及し、「多方面での人的交流の活性化のため、政府はもちろん国会も努力していかなければならない」と述べました。
これに対し、山口代表は、「最も関係が良かった時代の日韓関係に早く戻れるように引き続き取り組んでいく」と応えたということです。
山口氏はまた、核とミサイルの開発を進める北韓を念頭に「日韓や日米韓3か国の戦略的連携の強化が重要だ」と強調しました。
山口代表は、反撃能力を保有すると明記した日本の「安保関連3文書」について、「今後の議論が地域の平和に寄与する方向に進むよう、公明党として努力する」と説明するとともに、前日に韓国政府が発表したインド太平洋戦略について支持を表明したということです。
山口氏は別途岸田総理大臣からのメッセージを伝え、尹大統領はこれに謝意を表したということです。