先月、南北の軍事境界線を越えて韓国の領空に侵入した北韓の無人機を韓国軍が撃墜できなかったことについて、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は、自身が大統領だった時代に無人機に対応できるシステムを整えていたと主張したことがわかりました。
この発言には、無人機の撃墜失敗について、大統領室や与党が軍の訓練不足などを挙げる一方、前政権での対応が不足していたと批判したことに対して、反ばくするねらいがあったものとみられます。
最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表をはじめとする、党の指導部は3日、新年のあいさつを兼ねて慶尚南道(キョンサンナムド)梁山(ヤンサン)市にある文前大統領の自宅を訪問しました。
文前大統領は、無人機の侵入をめぐる政府の対応をはじめ、現政権の安全保障政策全般に懸念を示すとともに、自身が大統領だった前政権で、北韓の無人機に対応できるシステムを整えたと述べたということです。
この場に参加した「共に民主党」の関係者によりますと、文前大統領は、無人機への対応と関連して局地型の防空レーダーも導入するなど、相当な規模の対策をとったと話していたということです。