国会事務処が、議員会館に展示される予定だった政治風刺画などの美術作品を撤去したことについて、作家らは国会を相手に訴訟を起こすと明らかにしました。
「グッバイ展 in ソウル」に出展した作家らは10日、国会を訪問し、撤去された作品を国会事務処から受け取り、今後、国会を相手に法的措置をとると明らかにしました。
作家らは、あらかじめ「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の政治勢力などを風刺の対象とする」と企画書に明記していたとして、展示される予定だった作品を無断で撤去したことについて、国会事務総長の国民に対する謝罪を求めるとともに、民事・刑事上の責任を追及する予定です。
「グッバイ展 in ソウル」は、「ソウル民族芸術団体総連合」と「グッバイ展示組織委員会」が主催し、国会議員12人も参画している展示で、尹大統領や金建希(キム・ゴニ)夫人を風刺する作品などを含め、80点あまりが9日から5日間、国会議員会館で展示される予定でした。
ところが、国会事務処は9日未明、「特定の人物・団体の誹謗など他人の権利を侵害する場合、会場の使用を制限できる」という国会の内規を根拠に、設置されていた作品を撤去しました。
これを受けて、展示会の運営に関わっている無所属の閔馨培(ミン・ヒョンベ)議員や最大野党「共に民主党」の姜旼姃(カン・ミンジョン)議員などは記者会見を開き、作品の撤去は主催側との協議を経ていないとして国会事務処を糾弾しました。
一方、与党「国民の力」は、展示される予定だった作品について、尹大統領に対する「人格の冒とく」だと非難したほか、「共に民主党」に対して、展示会にかかわった議員らを倫理審査委員会に付すよう求めました。