尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、11日に公開されたAP通信とのインタビューで、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が早期に終わらない場合、北韓に誤ったメッセージを送る危険性があると述べました。
このインタビューは、前日の10日、龍山(ヨンサン)の大統領室で行われたもので、海外メディアとのインタビューは、就任後4回目となります。
尹大統領は、「ウクライナでの紛争が速やかに解決しない場合、制裁と罰をもってしても国際社会は侵略行為に対応できないというメッセージを北韓に送る危険性がある」としたうえで、「こうしたメッセージは、北韓の挑発をさらに煽ることになる」と強調しました。
ウクライナへの軍事支援と関連し、尹大統領は、現行の法律では、韓国が戦争中のウクライナに、直接武力を支援することは難しいと述べました。
ただ、アメリカが韓国から155ミリの砲弾10万発を購入し、それをウクライナに送る計画だとする報道については、「韓米は、定期的に軍事装備を売買している」と述べ、今後も同様の武器の取り引きを行うことについて前向きな態度を示したということです。
尹大統領はまた、北韓の核問題に対するアメリカとの連携について、「アメリカの戦略資産の運用について、情報の共有や共同企画、共同実行が可能だ。この実行には、机上演習やシミュレーション演習、核の発射手段の起動に関する演習も考えられる」と述べました。
韓米両軍は来月、北韓の核攻撃のシナリオを想定した机上演習を1年5か月ぶりに実施する予定です。