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韓国では、認知症を「チメ=痴呆」と呼んでいますが、これをほかの言葉に改めるための会議が16日、初めて開かれました。
「痴呆」という言葉には否定的な意味があり、患者や家族を侮辱するものとの指摘が出ていることから、新しい言葉に改めるための会議が設置され、保健福祉部、医療関係者、介護と福祉の専門家、認知症患者の家族の団体が出席しました。
「痴呆」は、ラテン語の「de-mens」に由来する英語の「dementia」を日本語に訳した言葉で、韓国ではこの日本語の単語を韓国式に「チメ」と呼んでいます。
そもそもラテン語の語源が「正気からはずれる」という意味で、否定的な意味が強いことから、韓国では、言葉を改めるべきとの声が2000年代半ばから上がっていました。
保健福祉部がおととし、韓国の成人男女1200人を対象に行ったアンケート調査では、回答者の44%が「チメ=痴呆」という言葉に「拒否感を感じる」と答えていて、代わりに使う適切な言葉として「認知低下症」、「記憶障害症」、「認知障害症」などをあげています。
台湾では、2001年に「失智症」に、日本では2004年に「認知症」に、香港と中国ではそれぞれ2010年と2012年に「脳退化症」という言葉を使い始めています。