社会
韓国工作員による北韓男性の拉致 国に10億ウォン賠償命令
Write: 2023-02-16 14:01:57 / Update: 2023-02-16 14:05:59
1950年代に韓国から送られた工作員によって北韓で拉致され、67年間韓国で生活してきた北韓の男性が、韓国政府を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、政府に、この男性に10億ウォンを賠償するよう命じる判決が言い渡されました。
この裁判は、86歳の男性が政府に対して15億ウォンの損害賠償を求めておこしたもので、ソウル中央地方裁判所は、被告が原告に10億ウォンを支払うよう命じる判決を言い渡しました。
北韓の黄海道(ファンヘド)に住んでいたこの男性は、1956年に韓国の工作員によって拉致され、韓国に連れてこられました。
この男性は、ソウルの空軍基地で調査を受けたあと、およそ4年間抑留され、靴磨きなどの労働を無報酬で強いられました。
1961年に空軍基地から開放されたものの、これまで67年間、帰国できず、韓国で暮らしています。
国防部は、この男性が1956年に韓国の工作員によって北韓で拉致され、ソウルの空軍基地に抑留されていたことを2013年に認めています。
この男性は2020年に、韓国で近現代史の人権侵害、弾圧事件を調査する「真実・和解のための過去史整理委員会」に調査を申請し、政府を相手取って損害賠償請求訴訟を起こしました。
委員会は去年8月に、この男性の韓国での経験を、「休戦後、韓国軍が諜報活動の名目で北韓の民間人を拉致し、無報酬で労働を強い、韓国に抑留させた事件」と認定しました。
訴訟で政府は、事件の消滅時効が過ぎたと反論しましたが、裁判所は、最高裁にあたる韓国大法院の判例を引用して政府の主張を退けました。大法院は、「委員会が犠牲者と認めた者に対して、国が『消滅時効の成立』を主張するのは権利の乱用にあたる」という趣旨の判断を示しています。
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